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前編「ネットワークだけではない、企業インフラがSDNに期待できること」では、2013年10月15~17日に開催された「ガートナーシンポジウム 2013」からガートナー ジャパン リサーチ部門 ITインフラストラクチャ&セキュリティ ネットワーク担当 リサーチ ディレクター 池田武史氏の講演を基に、SDN(Software Defined Networking)の概要と業界動向を記事にした。後編でも引き続き池田氏の講演を基にSDNの動向をお伝えする。
※前編:ネットワークだけではない、企業インフラがSDNに期待できること
→http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1311/21/news02.html
従来のネットワーク機器ベンダーの中には、ネットワーク機器をコモディティ化せずにハードウェアで差別化してたいベンダーも多い中、主要ネットワークベンダーはSDNにどう取り組んでいくのか。後編では、SDNに関わるベンダー動向とユーザー企業のSDNへの向き合い方にフォーカスを当てたい。
<<SDNに関連するベンダーを分類>>
一口にネットワークベンダーといっても、バックグラウンドはさまざまで、それぞれ事業内容や思惑は異なる。全体像をつかむために、ベンダーを幾つかに分類すると分かりやすい。
●ネットワーク機器ベンダー
ネットワーク機器ベンダーには、米Brocade Communications Systems(Brocade)、米Cisco Systems(Cisco)、米Juniper Networks(Juniper)、NECのように、ネットワーク機器に独自設計したネットワークプロセッサ(カスタムシリコン/カスタムチップ)を使用することで他社との差別化を図る老舗ベンダーと、米Arista Networks(Arista)や米Pica8のように、独自設計のネットワークプロセッサではなく、IntelやBroadcomといった商用チップを用いてネットワーク機器を提供する新興ベンダーの2タイプがある。
ネットワーク機器ベンダーの最大手はCiscoだろう。だがCiscoはSDNに対し微妙な立場を取る。「もともとネットワーク分野で成功を収めてきた同社は、OpenDaylightにも参加しSDNコントローラーのソースを公開する。だが、SDNにはいまひとつ積極的とは言えない」(池田氏、以下同)。実際Ciscoは、OpenFlowやOpenStackをサポートするなどオープンな仕様にも対応する一方、自社のコントローラー(「Cisco Application Policy Infrastructure Controller (APIC)」)でネットワーク、また将来的にはサーバやストレージを含めたデータセンター全体をコントロールするという独自のSDN戦略も掲げている。
新興ベンダーではAristaの動きが活発だ。同社はネットワークスイッチがWindows Azureのデータセンターに採用されたことでも話題になった。「Aristaはネットワーク分野でCiscoの2番手に付くと明言している。今後、Brocade、米Hewlett-Packard(HP)、Juniperと戦っていくベンダーとして注目したい」
●サーバ機器ベンダー
SDNに取り組むサーバ機器ベンダーといえば、米Dell、米IBM、HPなどが挙げられる。
サーバ、ストレージ、運用監視ツールと、ITインフラ全般に関わるHPは、「ネットワーク分野ではCiscoに次いで2番目に付けているベンダーだ。OpenFlowには数年前から取り組み、対応製品を順次ラインアップし、これから数年かけてSDN基盤となる製品群を充実させていく方針だ」
IBMもSDNに積極的である。また、「Dellは、もともとコモディティ化したデバイスを売ることが得意なので、SDNがビジネスチャンスとなるかもしれない」
●ネットワーク仮想化ベンダー
ネットワーク仮想化ベンダーでは、米Big Switch、Midokura、米Nuage Networks、米Plexxi、米PLUMgridなどが挙げられる。中でもMidokuraは、ネットワーク仮想化に取り組む日本企業で、同社の製品は日本システムウエアなど国内のデータセンター事業者に導入されている。
●サーバ仮想化ベンダー
米Citrix Systems、米Microsoft、米VMwareなど、サーバ仮想化ベンダーもSDNに取り組んでいる。
この中で今、SDNを語る上で欠かせないベンダーがVMwareだ。自社製品での仮想化はVXLANベースを推しつつも、2012年に買収した米Niciraのネットワーク仮想化製品についても「VMware NSX」としてポートフォリオに取り込むという2面展開を図っている。
同社はスイッチやルータの仮想化だけを考えているわけではない。VMware NSXにFW(ファイアウォール)やADC(アプリケーションデリバリコントローラー)などの機能を搭載してきたところを見ると、ネットワーク機器をコモディティ化し、SDNでイニシアチブを取りたいと考えている。
「現時点ではVMware NSXにリッチな機能はないので、ハードウェア/アプライアンスベンダーを脅かすほどではない。また、仮想化ソフトウェアベンダーとして、彼らとのパートナー関係も大切であるから、今後も(表面上は)協業していくだろう。ただし、向こう数年ではハードウェア/アプライアンスベンダーと火花が散る争いになることも想定しているのではないか」
●ネットワーク周辺機器ベンダー
ネットワーク周辺機器ベンダーとは、FWやWAF(Webアプリケーションファイアウォール)、ADCなどを提供するベンダーを指す。米A10 Networks、米F5 Networks、米Palo Alto、米Radware、米Riverbed、などがそれに当たる。
彼らは、カスタムシリコンを使って製品に価値を生み出してきたベンダーだ。VMware NSXのような製品が台頭しても、「今すぐビジネスに影響が出るわけではないが、“SDx”の動きが加速する中で、次のビジネスを考えなければならないベンダーだ」。
<<SDNとの向き合い方>>
池田氏は「SDNは複雑怪奇な状況にあり、ベンダーの戦略や技術の成熟度も時々刻々と変わっていく。気を付けたいのは、SDNの動向を熱心に追うあまり、自社にとってSDNがどう役に立つのかという肝心な部分が抜け落ちてしまうことだ」と注意を促す。そうならないために、ユーザー企業は自分たちの立ち位置をハッキリさせることが大切だ。
●ネットワークのあるべき姿、SDNの適用領域を見定める
池田氏は「自社のネットワークのあるべき姿を把握することが大事だ」と述べる。
スマートデバイスやクラウドサービスの浸透は、企業ネットワークの在り方にも影響を及ぼしている。従来のように、物理的なクライアント端末やインフラの筺体だけを管理していても、ユーザーやサービスを追いかけることができない。ユーザーとサービスをつなぐという視点でネットワークやそのインフラを考える必要がある。
「ネットワークの役割を見直す時期にきている。やりたいことを実現するためにSDNがはまるケースもあれば、『NAC(Network Access Control)』とユーザー管理製品(Active Directoryなど)を組み合わせるなどの代替手段を取る判断もあり得る」
●ベンダーの覇権争いを見定める
ネットワーク分野の争いは、従来のスイッチ、ルータといったネットワーク機器に閉じたものから、さまざまな分野へと広がっている。DellやHPといったサーバ系、VMwareなどの仮想化系、Broadcomのような半導体系ベンダーが、ネットワーク機器ベンダーと共に覇権争いを繰り広げ始めている。
彼らの多くがOpenDaylightに参加しているベンダーだ。「彼らは、どういうモチベーションでOpenDaylightに参加し一体になって動いているのか。それは対Ciscoだ。Ciscoは長年、IPネットワークのリーダーとして君臨してきた。高くても使い続けるユーザーがたくさんいる。また、Ciscoはネットワークだけではなくサーバにも投資をしており、“Internet of Everything”といった未来のテクノロジーも視野に入れて活動している。だが、このSDxという大きな動きの中では若干逆風が吹いている。Ciscoがネットワーク分野で今後もリーダーで居続けるのか、あるいはゲームチェンジなのかは注目したい」
●設計や人材育成に課題も
その他、SDNに取り組みたいユーザー企業が考えることとしては、設計の複雑さや障害対応、人材育成などがあるという。これらの課題は、SDN技術や製品の成熟度に比例して解決しやすくなるだろう。
<<SDNは焦って飛び付かない方がいい>>
SDNに期待できることは柔軟性、迅速性、コストの最適化だ。ただし池田氏は、「SDNの成熟度はまだ低い。ユーザー企業は慌てて飛び付かない方が賢明だ」と注意を促す。上述した「SDNとの向き合い方」を考えながらじっくりと向き合いたい。また、「SDNを早期に導入する場合は、ベンダー任せではなく一緒にテクノロジーを育てていく覚悟が必要」とも付け加えた。
※「OpenFlow=SDN」ではない? ベンダー各社のSDN戦略
→http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1209/27/news05.html
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